歯周病になる人ならない人
「歯周病とはどのような病気?」のページで歯周病の病態について説明しましたが、このページでは歯周病の原因について考えます。
口の中は誰でも実にバイ菌だらけで、約500種の菌がいるといわれていますが、その中で歯周病に関わっている菌が6~7種類はいると考えられていて歯周病菌と呼ばれています。それらの菌は栄養があって空気のないところが大好きでして、歯周ポケット(歯と歯肉の境目)内で繁殖し、歯肉に侵入したり、毒素を出したりして勢力を拡げようとします。
それに対し歯肉は侵入させまいと白血球などを送り出して防御しようとします。
歯周ポケットでは、歯肉に侵入しようとする歯周病菌と侵入させまいと防御する歯肉の抵抗力、免疫力のバトルが常に繰り広げられています。
ここでの、侵入しようとする歯周病菌の強さと歯肉の抵抗力の強さ、どちらが強いかで歯周病になるかならないかが決まると考えられます。
つまり、侵入しようとする歯周病菌が歯肉の抵抗力に勝れば歯周病菌は歯肉に侵入し、歯周病の状態となります。
丁寧によく歯磨きをすると
歯周病菌は減りますから、歯肉の抵抗力の方が優勢になります。丁寧な歯磨きは歯周病の予防、治療にとても有効です。
歯磨きは歯周病の予防や治療にとても大切です。が、地球上には全然歯磨きしていなくても、全然歯周病にもさらに虫歯にもならない人たちもいます。
それはいわゆる未開民族といわれる人たちです。また野生の動物にも歯周病はありません。しかし、同じ動物でも動物園の動物や、ペットには歯周病が発生します。
なぜでしょうか。それは、歯磨きしないので菌はたくさんいても、それを上回る強い抵抗力があるからと考えられます。イメージはこんな感じです。
歯周病にならないために大切なのは、ひとつは丁寧な歯磨きで歯周病菌をできるだけ少なくすることと、もうひとつは歯肉の抵抗力が弱くならないようにすることです。
歯肉の抵抗力が弱くなる原因には、
食生活の問題
喫煙
不良姿勢
全身疾患
ストレス
不良な歯科治療
などがあります。