顎関節症の治療について
当院の顎関節症に対する治療についてご説明いたします。
まず顎関節症とは
1 口が開かない
2 口を開こうとすると痛い
3 顎を動かすと音がする
このうち一つ以上があてはまり、他の病気でもない状態を「顎関節症」と呼んでいます。
治療が必要かどうかは日常生活に支障があるかないかで判断します。そうしますと顎関節症の症状の中の「3 顎を動かすと音がする」というのはほとんどの場合、日常生活に差し支えはないですから基本的には治療の対象とはしません。「1 口が開かない」「2 口を開こうとすると痛い」ことが治療の対象になります。
ここで一つ興味深いデータをご紹介します。
顎関節症(口が開かない)の患者さんを治療しないで何もしなかったら1年後どうなったか?というものなのですが、結果は下のグラフのようになりました。
何と7割の方が何もしなくても良くなったというのです。
「だから顎関節症は治療しなくて良い」というつもりはありませんが、顎関節症という病気は治療の方向さえ間違わなければ決して怖いものではないと考えます。
当院の治療は日本歯科大学名誉教授(元附属病院顎関節症診療センター初代センター長)の丸茂義二先生の下での研修をベースにしたものです。
健康保険ではスプリント(マウスピース)を使った治療のみ評価がありますが、当院では生活指導、筋肉バランスの改善、頸椎整復で9割以上の方が1週間から1か月で治療を終えられています。
※当院はかみ合わせを調整して体の痛みや肩こりなどのいわゆる不定愁訴を取り除く治療は実施しておりません。
参考文献 栗田賢一他: クローズドロックの臨床所見の検討 第2報 自然経過観察群の初診後6, 12ヶ月時の臨床症状. 日顎誌 5 (3): 69-80, 1993.